ごたく
ふるる

まあ、もう、ごたくを並べるのはやめにする

ごたくって、どうやって並べるか知ってるか

こう、定規をあてて、まっすぐ、きっちりな

ちょっとの乱れも許さない、職人のようにな

例えばこうだ

その職人は、同じものを同じ速さで100も200も作れるやつだ。
ある時、1000もつくれと注文が来て、999まで作った。そして
最後の1つが、微妙にずれた。素人目にはまったくわかるはずもない
微妙なずれだ。それをそのまま納品したって、「いい仕事してます」
で終われたのに、職人はその日から3日眠れなかった。そして4日目
の夜中、とうとう寝床を飛び出して、微妙にずれた1つを残し、後の
全部を捨てた。そして、微妙にずれた1つと寸分たがわず同じものを、
あと999作った。できあがった1000を前にした時の職人の気分
はいったいどうだと思う?え?そんなもん素人にはわかるはずもない。

まあ、とにかく、ごたくを並べるにもこだわりってものが、必要なんだ

もう並べるのはやめにするけどな



自由詩 ごたく Copyright ふるる 2005-01-19 14:09:46
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