春の日差し
文字綴り屋 ひじり

今日の日差しはとても暖かい 
だからでしょうか 
ほろ苦い思い出がふとよみがえりました 
ピンクのビニールバッグを持って泣きながら歩いたあの夜のこと 
たった30分だけの家出 
今ではバッグの中に何を詰め込んだのかさえ覚えていない 
あの夜の悲しみや涙の苦ささえもぼやけてる
そうやって時は過ぎていくんですね 
そうやって生きていくんですね 
時間はゆっくりと記憶の輪郭を削りながら風化させていくのかもしれない 
今日の日差しはとても暖かい 
だからでしょうか 
ほろ苦い思い出も微笑んで懐かしむことができるようです


自由詩 春の日差し Copyright 文字綴り屋 ひじり 2014-03-30 14:56:33
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