なんてつまらないんだろう
ざらざらざら子


それは中毒性がありますといわれればきりがないし
さいしょから栓を抜いてしまえばいいだけの
それだけのことだったけど
すうねん前から君もわたしも
もの哀しい空気で肺をいっぱいにするのが
習慣になってしまったから
あらゆるものが邪魔をするね
のびすぎた髪
とか、爪
眉毛
それから
飼育していた魚と
猫と植物
徹底して第二関節におさまるものばかり繁殖させて
やめろと言っても肩のちからを抜くことが
やめられないから、自身の水分に
くるまれるいっぽうで
いつかわたしがわたしの水分になって
わたしを眺める日がくるだろうって
そんなこと思いながら
ぼろぼろと
網目からふるい落とす振りして
すくいあげてた
わたし
久しぶりの水を飲んで
テレビをつけて
だらりと流れる
人名、人名じんめい
これはとても大切なことです
そんなふうに言ったのが誰だったか
相変わらず咀嚼ができないわたしに
本を読むといいよって君はいうけど
縦にならべられた文字って
整列した言葉って
ざらざらしてて
舌がひりつくから、ダメなの
先端につきささった気分が
ぱちっと弾けちゃって
暮れるっていうのに
明けちゃって
思い違いをしてたころのほうが
なんだかんだで、わたし孕んでた


ねえ、なんてつまらないんだろう
ちかごろ、そう、思うんだけど
なんだかそれは、わすれられたことのよう






自由詩 なんてつまらないんだろう Copyright ざらざらざら子 2014-03-28 19:04:29
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