蒼木りん

駆け引きしあう愛なんて
いらないよ

いつからそんなこと
覚えたの
みんな

もういいよ
別に
褒められなくたって
認められなくたって

いいところなんて
出せる余裕が無いんだから

いま持っていることの中で
できる限りのことをしているだけ

指導者に恵まれない
切欠さえあれば
ふさぐ緞帳
切り裂きたいのに

自分と他人に折り合いつけて
不本意からの逃避を計るけれど
それも中断されて

重たい雲が差すような
いまはとても
この呪縛を解きたいと思うだけ

この肉体ゆえに
生み出されたものに
縛られ続けるしかないから
付属する想いが残る

ぜんぶ整理して
素粒子になり
何処へでも飛んでゆきたい

「わたしは ここよ」と

呼ぶ人も
訴えることも
無くていい

苦しいが
麻痺してしまうほど
痛いが
感じなくなるほど

あるいは
焼殺切除の

これから
その治療(作業)に取り掛からなければ


愛なんて
頂点を過ぎれば
疑ってしまうから
いらない

つまり
ここに居る間に
私が愛したいのよ


未詩・独白Copyright 蒼木りん 2005-01-19 09:26:52
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