廻る軌跡
ヒヤシンス

深緑の忘却の中で私は啄木に深く共感する。
確実なものを求めていた私の何かが滝壺に飲み込まれてゆく。
逃げてゆくネズミの尻尾を追いかけるような真似はもうやめよう。
ただ素直に、誠実に生きよう。そして創造を。

感性の共感が増える毎に私は人を信頼し、見えない絆が浮かび上がる。
危険だとは思わない。決定権は自身にあるのだから。
もしもあなたが私を信頼してくれるのなら、私はトカゲである事をやめよう。
人と人との絆は常に相互信頼の上に成り立っているのだから。

さて、私は新しい詩を創造するよ。
人間の愛と優しさも、厳しさも卑劣さも、誠実なものなら全てを詠おう。
悪人でさえ悪に対しては誠実なのだから、詠うことは出来る。

 
そしていつの日か顧みるだろう。
深緑の忘却の中で出会った全ての創造者達の輝かしい軌跡を。
そしてそこから派生した私自身の線香花火の火花のような無数の足跡を。


自由詩 廻る軌跡 Copyright ヒヤシンス 2014-03-27 00:09:31
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