懸賞の発表まで一月
番田 


誰もいない夜明け
失った 言葉を 
死ぬのかもなと
本を 電車の中で
光にあてがっていた

今日も 部屋のふとんに入って そして
メトロのキオスクで雑誌を手に
きっと売り子と約束の言葉を交わすことだろう
そして角の猫とのひとときを 遠い暗闇の中で
静かに思い出すことだろう

もう 思うことは
少ない そんな歳
テレビを見ては また
終わる一日 床の上で
新聞をたたんで


自由詩 懸賞の発表まで一月 Copyright 番田  2014-03-25 02:08:52
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