すみれいろ
草野春心



  机に載っていた、何枚かの
  便箋は すみれ色をしていた
  グラスに注がれた玉蜀黍茶を空にするまで
  夕焼けをわたしは眺めていた……飽きもせずに
  複雑そうなものごとが、ほんとうは
  するりと呑みこめるほど簡単なのだと
  そう信じたかった
  わたしの小さな
  胸につかえた、幾つもの
  言葉もまた、美しい
  すみれ色であったなら




自由詩 すみれいろ Copyright 草野春心 2014-03-23 22:27:56
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