魂の破片の場所
青色銀河団

魂の破片の場所。よいみず。茜色。きらきらと走りすぎる水。見える終わり。夢見ている憎しみのような誰か。図鑑のパリの足音。呼びかけのような眠り。舗道の祖父。曲がっている庭。静かな茶色。銀の鈴を夢見る椅子。めざめる意味の果実。沈黙に捧げるものの底。土の影絵のような満天。存在の東京のなかの思念。冷酷な鳥篭。新しい情熱。百合花の火のメロディ。灰色。滝の湾曲の羽。満たされるたきぎ。青黒い胸。真赤な虚無のなかの蛙。奇妙な初恋。貧しい不眠都市。飛び散るもののあけがた。消失点のような地上。難解な桃。淋しい神々。かわいそうなあした。恐れる私。オルガンの不眠。香の潮。青年。よい胸。烈火の学習の蒸気。正夢の野原。少女たちの塩。うるませる沈黙。うすいろのぼくらが再び問うはずのない氷。感触の粉末。色彩。蝶の生活。海岸のようなイメージ。かなた。所有する骨に応じてはじまる朝。楡の葉のなかの戦争。烈しい遊女。よいさよなら。西日の砂漠。劇場のうれい。難解な暴風雨の街。柘榴。私。埃。時間。稲妻の全世界。窓枠の生活。大きいくだもの。殺す秋。相談する地上のような幻影。慈愛。石の足音。おはなしの暗黒。対話。真赤な暴風雨。喋べるうなじ。象の夏時間。青年の書体。文章の消しゴム。精緻な憂愁。廃屋のユリ。伝言。問い始める雨の日。あおじろい花崗岩。彼女の流氷のほたる。睡眠の中心。茶色の口癖。赤い一羽にとって愛するための籠。わが家の歌。泣く幼児。やくざの言葉。三月の舗道。高熱。憎悪。他界の告別。冷酷な巣のなかの男。奇妙な鈍色の葉っぱの祖国。暗黒。別れのことばの土地の神々。呼んでいるあおぞら。青黒い手。たきぎの差別。生活の無限のメロディ。青雲の今日。人間。なつかしい生のような慈愛の胸。妻の噴水のなかの書体。愛のみどりいろ。俺の蒸気のような喜びのための春の夜。帯びるイメジ。渦動。よい手。影絵のわが家。ほたるのためいき。犯行声明する鳳仙花。ひややかな巣の波紋の斜線。大陸を夢見る埃。光のなかの酔っぱらい。美しい小箱。結合。冷たい並木。かなしい眠り。たたかう自転車。椅子のままのはだか。庭。悪のひびき。影。もえる顔。冷酷な満天。太陽のような小石。燐粉の戦争。ことばのような沈黙。引き離す不協和音。夜明け。こぼれる影。大きな色彩。論理的な女の子。坂道。うれしい言葉。曲がっている耳。野辺の食卓。ぴかぴか。石。祖母。ある夏の日。風の月光のような夕陽。音楽の思念。垂れる牙の空。問ううた。氷河の小川。かたむく象。小鳥の透明さ。少女。都会のなかの食卓。メロディのようなエンピツ。難民の群れ。溶ける向日葵の空。冬のような砂漠。草色のなかの死のわたし。ひややかなたきぎ。ずるがしこい朝。金色のピアノのような夜。神聖な東京。木。秋のような原石。手の難民。三月。広い苦しみのようなポスト。ゆるされる植物。知る未来。難解な呼びかけ。腰掛ける時間。行進。今日の愛。ひとりで成長する思い出。葉っぱのかわく冬。髪。人間のような土面の聖者。希望の水道管。

射殺されちまったぼくら。



未詩・独白 魂の破片の場所 Copyright 青色銀河団 2005-01-18 23:41:21
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