匿名の春に、卒業と 名付けよう。三部作
るるりら

やがて
頭で考えても 予想できない順番で
クロスワードパズルに穴が開くように
時が 埋められ
確実に 君が、この町を去る。
すべてを
祝福に変えるレッスンが、始まった。

はるの まがりがど で
クロスワードを つくりながら
みっつめのかどを まがると
たびじたくをしている あのこ
おくりだすということは、浦島太郎になることだ
たとえば、こんな パズル


四三三三
四枝寒面
四■四六
四礼温■
     
解けない■




ルの 曲がり角





【レッスン?眠らせる】 

ねぼけてしまう 春眠を余所に、
君は 祝福されている
必要なことは すべて知っているというような聡明な光を その瞳に宿して
バイクで この町を 一巡しながら きみは きみの心に留めようとしている
おいていけぼり悲しい言い伝えの上にも
雪が降りつもり 水となって大地に沁み渡り

地下では清水が はぐくまれ やがて
腐葉土を押し上げ、
それらは疼き、
君は 滑るように、君は行って仕舞う 蝶のように 行って仕舞う
呼吸の仕方も忘れたような大地が息を吹き返し 君は 行く





【レッスン?はると しゅら】 

はっか あめを
なめると ぬけるのは
かぜ

こずえの ゆきが
どさ と、おちたあとの
さら、ら

こなざとう
に、みたされて

しゅら が
はっか する





【レッスン➂ 卒業】

空に
生日が 投函され
山が
ホーホケキョ、と 受理し
ハピネスは
ときおり 水に くぐもり、想いかえして
浮上する

君が 行こうとしている
別れの歌が 山に こだまして
君は 行くのだね

列をつくる 正装のいでたちは
ヨーイドンの線引き
境界線を 君が行く








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novelistの「詩人サークル 群青」参加作品です。
三月の課題は【春】 
http://book.geocities.jp/sosakukobo_gunjyo1/


自由詩 匿名の春に、卒業と 名付けよう。三部作 Copyright るるりら 2014-03-17 09:13:07
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