嘘つき
ただのみきや

持ち上げては
こき下ろす
嘘をつかない人間はいないのだが

良い目を見たから許せないのか
騙されたから許せないのか
自分の嘘はばれたくないものだが

真実を追求する
マスメディアもかなりの嘘つきと
知っていながら毎朝毎晩覗いている

嘘は良くないと
子供に教えながら
どこか後ろめたいから

嘘にもいろいろあるのだと
許される立場とそうでない立場があるのだと
鈍色の色分けで言い訳をするが

信じることの大切さと
その結果の自己責任について
どう学び教わってきたのか記憶もなく

嘘がばれた有名人を
嘘を隠した一般人が
マスメディアに力を得てはウソツキと

呼ばわるのもどこか気色が悪く
なんだか切なくなってくる
嘘つきとしては小心者なのだ


      《嘘つき:2014年3月15日》




自由詩 嘘つき Copyright ただのみきや 2014-03-16 15:46:02
notebook Home