ホームライフ
e R i

みしみしっと家が軋んで、喋りかけてくる
15年くらいの付き合いだ
話の最中、冷たい空気は
必然的に重く、暗く、足下によどむ
すきま風がせせら笑っている
洗面所でハンドソープをこぼしながら手を洗うときの
キシリトールガムみたいなにおいが好き
と言うと、優しくじゅうたんが揺れた

冷蔵庫から牛乳を取り出して、残り少ないカルーアを戸棚から取り出して
台所の流し台に栓をして熱めのお湯をためて
台所によじ登って足だけつかりながら
かんきせんのごうごうという年寄りみたいに長い話しに耳を傾ける
氷いっこのカルーアミルクだけが冷たかった

足の先から血液がさざんさざんと波のように頭の方あがっては落ちる
ピーチフィズをこぼしながら、恋の話をする
台所の水道が、ぴちぴちと相づちを打ってくれる
体中が海になったみたいで心地よかったので
そのまま恋の話をしながらカンパリロックをしたたらせて
台所によじのぼったままねむった


自由詩 ホームライフ Copyright e R i 2005-01-18 18:37:11
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