もぐら叩き
Lucy

君の言葉が泳ぐのは
淀みのない海流

北上しながら溺れるのは
空と
水平線とのあり得ない接点

君が脱ぎ捨てたいのは
どこまでも纏いつく
垢じみた毛皮
切り捨てたいのは
画布に滲み出る
涙のしみ

もぐら叩きのハンマーで
何匹も何匹も
叩き潰したつもりでいるのは
何度でも
君の口から零れるモグラ
君を横切る
くたびれたモグラ

君は誰を叩いているのか
重さのないハンマーそのものになり
君は倒れこむ
言葉の死骸の山なす中に






自由詩 もぐら叩き Copyright Lucy 2014-03-14 20:06:30
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