躍り食い
イナエ

小鉢で泳ぐ白魚を掬いとり
生きたままを飲み込むという
珍しい食べ方で
食材を頂きました

口の中の足掻きも
喉をすぎる嚥下も
滞りなくすんで
食道を無事通過し
もう胃に入ったのですから
胃液の中は無理して泳が無くて良いのです
命もろとも食材なんですから

ましてや
袋の水がすっぱいといって
ゲップと一緒に戻らないでださい
牛と違って人間の胃は
一方通行ですから
逆流されるのは困ります
酸っぱい味がいつまでも
喉に張り付いてしまって



自由詩 躍り食い Copyright イナエ 2014-03-12 14:08:45
notebook Home