サフォークのオルガン
草野春心



  日がないちにち、きみは
  ふたの閉じたオルガンにむかっていた
  やりばのないかなしみはもう、
  とうの昔に過ぎさったはずなのに
  雨をうけた一頭のサフォークが
  抱いているひとかたまりの闇
  それは まるで 大きな岩のようだ
  向日葵の形をした髪飾りを
  阿呆らしく頭につけて……きみは
  きょうも オルガンにむかっていた





自由詩 サフォークのオルガン Copyright 草野春心 2014-03-06 22:22:37
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