グシャ
蒼木りん

拒まれたこと

もし
それが根源だとするなら

私は自ら
拒むことを繰り返し
霧の向うの記憶を
何度も確認して
一方では
また拒まれることを
恐れているのだろう

泣いただろうか
その時の私は

そして
克服の場面を与えられているといえなくもない
日常の

それは
自ら択んだという
言い逃れを赦さない目


お昼のテレビだけが
現代を私に伝えてくれる

日に焼けた女の子達
キティちゃんのような白のミスマッチ

女の子も男の子も
若い夫婦も

みんな喋りたい
みんな欲しい

みんな

ひとりの
私であるところの私は
何処にいる

女は
強いということがいいことですか?
なぜ
みんな
取るに足らないことでいつも怒っているんですか?
セックスしているのに
していない顔の生活しているんですか?



ありのままでいたいと思う気持ちと
妬ましさに変わる前の羨望と
それらすべて混ぜこぜになる

夕日

私というものすべてを
いっそ消滅させたいという気持ちを
盛り上げて



義務をインスタントで済ませたら
愛情を履き違える人たちを発見しては
バカと思う


この釜で
何回ご飯を炊いただろうか

何回洗濯をして
干して畳んで仕舞ったか

ゆっくり風呂に浸かったのは
どのくらい前だったか

雨を見たのは
今日で何回目だろう

私の一生に
雨は何度降るのだろう


欲しいと叫べない

躊躇の時差

それに

甘んじている


グシャ


知らないということは

狂人の餌食の恐怖

けれども

立ち向かわない


睡魔に襲われる

それはまだ幸福





未詩・独白 グシャ Copyright 蒼木りん 2005-01-18 00:04:18
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