風の休日
藤鈴呼




もこもこの ドレス着込んで お洗濯
くるくると 回る洗剤 いまいずこ

洗わないでね きれいな心
汚れ落として 美しく 
生まれ変われる 気がしていたの

気のせいよって ふふふと笑う
その笑顔こそ
年をとっても 変わらない

そう 信じている内に
白髪が混ざって来るんだわ

太陽に 透かすとね
白髪は キラリと光るの

何だか 神様の 贈り物みたいねって
天使の方角を向いて あなたが 笑った

なつかしい声
なつかしい人
街並みばかりが 変わっていくけれど

きっと わたしは
一人ぼっちには なれない

そう 思ったら
あらたな笑顔が こぼれたわ

先の 約束
きっと きっと 守れるからねと

直接 あなたには
云えなかったけれど

きっと 要らない石は
捨ててしまえば 良いんだと 思う
そう 信じていて

お医者様が きっと
取り除いて くれるわ

誰よりも 長いメスと
誰よりも 長い 心でね

もこもこの イヤリング
まだ 耳元の 囁きも おぼつかない程の
可愛らしい少女の影を
追いかけていた

お母さんが お洒落だから
あなたも 
きっと 素敵な 女性になるわ

そう 言いたかったのだけれど

何だか そのセリフ自体が 
薄汚れてしまっている気がして

どうしても 言えなかったんだわ

その内に あなたは
鏡の裏で にこっと笑った

どんなにステキな 笑顔だった ことでしょう
裏側からは 見つけられないけれど

あなたの 倖せ
ココロから 願っているの


自由詩 風の休日 Copyright 藤鈴呼 2014-03-02 14:45:48
notebook Home 戻る