twitter
葉leaf

獣が聖者の顔つきで説法を垂れていた同じ日に 聖者は次々と法を破った 聖人も悪人もどちらも倫理の極限に達した人 極限において正邪は区別がなくなる 遵守すべき法はなく 法は自ら作り出すものとなる 社会の被膜を見るのは盲人だけだ 社会を突き破り食い破り 自ら新しい倫理を歌い上げるのだ

晴れ渡った日に呟かれる音楽 雨の日に差し止められる音楽 曇りの日に撓められる音楽 音楽は獰猛な獣のように 俊敏に動き獲物の心臓を貫く 音楽が獣であることをやめた日に 僕は音楽を新しく組み立てる 機械仕掛けの音楽が 全ての自然の音と全ての宇宙線を 一筋のメロディーに統合するように

僕は沢山罪を犯しました と告白することで許される罪などない それは全て罪などではなかった と居直ることで消えていく罪は無数にある 罪は法を破ることではなく法を摂取することで生じる 罪を背負うことの喜ばしさに酔ってはいけない 罪を背負わないことの後ろめたさを誇りにしてもいけない

僕はいつでも哲学を求めていました あのすべてを説明してくれる哲学を ですが哲学を一つずつ捕獲するにつれ その飼育法に困りました 哲学は説明してくれるのではなく 僕が哲学を説明しなければならない 例えば餌をやり水をやりフンを処理するように 哲学は与えず僕がいつまでも無償に与え続ける


自由詩 twitter Copyright 葉leaf 2014-02-26 05:55:35
notebook Home 戻る