睡魔
和田カマリ

一日の仕事を終え
重たい瞼を閉じると
学生だった頃に
顕微鏡で見たことのある
輪切りにした脳の細胞
・・のような原野に
無数のプラナリアが蠢いていた
その隙間を油の泡が
虹色に発酵していた

鉛を溶かしたような
熱くて
半固形状の欲望

たとえ瞼を切り取られても
そのまま眠ってしまう
肩が千切れそうな
人形のような僕



自由詩 睡魔 Copyright 和田カマリ 2014-02-21 18:56:24
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