さかな (一〇首)
もっぷ

言っておくわたしはツレナイおんなだよ 太陽ならばうお座に座る


水族館土産に買ったぬいぐるみ自分のものにしたけど何か?


さかなたち胎児にぴたり寄り添ってうたう歌なら月も聴いてる


小魚を胎児のために食む母のメタファー御一つおいくらですか


犬も猫も蟻も鴉も優しくて秋刀魚からだを礼に差し出す


からだしか欲しがられないか。地球にてさかなでなくてひとだったこと


最後には骨だけとなり浜に着きそれでも海が恋しいさかな


川釣りで鮎は釣られて炙られてその場で喰われる そんな一生


水槽の海水魚たち知ってるかいパイロットフィッシュのかつて居たこと


わたしならツレナイけれど気も変わる 孤独の味が染みているから



短歌 さかな (一〇首) Copyright もっぷ 2014-02-21 02:02:16
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