雷魚の託宣書
湾鶴

目蓋のスクリーンに映る 
真綿の円
闇にヒラク
 雷魚が迷う 落ち着いて

すべての道は 雷魚の尾鰭のあとにつづられ
ゆるやかに くせのない書となる 

 ハンバーガーのように 同じ味の道
たぶんうまいのであろう よく見ている気までしてきた
御手本のように 水平点線で仕切られ
それを振りほどきながら
漂う雷魚
目蓋からこぼれてゆく波線

みつめているとムショウに垂涎してきた 
蜂色蛍光の下を潜って
「今なら半額を食べぇいってくるわ。」


自由詩 雷魚の託宣書 Copyright 湾鶴 2003-11-03 00:59:16
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