滑らかな掌が部屋の中で
草野春心



  滑らかな掌が 部屋の中で
  私たちの内のどちらかをさがしている
  (夜は こんなにも 明るいというのに)
  捩じれた、青白い樹の 影が、こごえている
  いつか 囁きに似た笑みが 床に溢れたままになっていた事は
  私だけが思い出しているのだろうか 棚に背を押し付けて座り込みながら




自由詩 滑らかな掌が部屋の中で Copyright 草野春心 2014-02-08 21:45:15
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