女同士
そらの珊瑚
娘の反抗期も
そろそろ終わりかなあと
やれやれと思う反面
なんだかそれはそれで
一抹のさみしさもあり
手放した自覚もなく
ああ、季節というものは
こんな風に過ぎてゆくものなんだと思う
かあさん、下向くと二重あごになるよ
と
あえてそんな指摘をしてくれるのは
世界に一人だけだろう
三重あごになったとしても
だんなや息子はそれに気づきさえしないだろう
そうか
そんなら上を向いて行こう
目、腐ってんじゃないの
とか
とにかく口が悪い
でも針穴に糸を通してくれるのは娘
福はうち、といいながら
福の神も
豆ぶつけられるって
なんだかかわいそう、と殊勝なことを言う
その昔
豆を鼻に入れてしまい
取れないと言って
泣いた娘の顔が
なぜか浮かんできて
私は思わず吹き出した
節分の朝
ああ、季節というものは。