夜はぼんやり
蒼木りん

きょうは
夏の日のように川が緩やかに流れていた

わたしは
思い立って石飛ばしをした

水平に石を投げて
水面をトン・トン・トンと飛び越させる

向こう岸に石が届いたら
わたしの勝ちだ

とにかく
勝ちなのだ

それから
一時間はあっという間に過ぎた

腕の血が
振られて指の先端に集まる

明日腕が辛いかもしれない
やめた

ということは
勝てなかった

再度挑戦するぞ
と川に言い残して去った

それ以降川は流れが雑になり
石飛ばしに最適な流れにはならなかった




ここまで想像
夢と変わらないような結末だ

しかし

ぼんやりするのは
気持ちがいい





未詩・独白 夜はぼんやり Copyright 蒼木りん 2005-01-15 22:56:49
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