新しいノート
梅昆布茶
新しい言葉を綴ることは
新しい土地を開墾するように
そこへ種を蒔くように描いてゆくこと
自由を描くことは難しい
だれも自由の光をみたことがないから
それでも描こうとする
愛を定義することは難しい
愛はどこにも陳列されてはいないから
それでも愛する
幸福を語ることは難しい
私の幸福はあなたの幸福と
交換できないから
それでも言葉は試みてゆく
それが唯一の機能だとでも言うように
新しいノートはいつも最初の一言で失われてゆく
新しいノートは積み上げられいつか崩れて均されて
そこに次のノートが重なり堆積して
言葉は拡散し失望する
そして回復し再生する
新しい言葉を捜すことは
どこかへ通じる穴をあけること
そこからわたしたちは
新しい海へ流れてゆく流体なのだ
新しいノートをひらく
またあらたに種を蒔くために