チョコレートフレーバー
もっぷ

「ほろにが ください」
「いつもの ですね」
「そうです ほろにが」

あの またほろにがなの
あの娘 まだ年端も行かないのに
あの娘 いつもほろにがなの
味 わかるのかしら・・・

「ほろにが ください」
「いつもの ですね」
「そうです ほろにが」

今度 チョコレートフレーバー
すすめてみようかしら ねえマスター
今度 チョコレートフレーバー
すすめてみようかしら ねえマスター

「ほろにが ください」
「いつもの ですね」
「そうです ほろにが」
「たまには チョコレートフレーバーなんて いかがですか」
「チョコレートフレーバー」
「そう チョコレートフレーバー いかがですか」
「ほろにが でいいです」
「・・・わかりました」

ねえマスター またほろにがだって あの娘
またほろにが またほろにがだって マスター

ねえマスター また来たわ あの娘
ほろにが 淹れといて どうせ またほろにが
今日は もう一杯 サービスしましょうか

「チョコレートフレーバー」
「チョコレートフレーバー ください」
「いつものではなくて チョコレートフレーバー ですか」
「チョコレートフレーバー ください」

ねえマスター ごめんね 今日は チョコレートフレーバー
ねえマスター それ わたしがいただくわ
ねえマスター ごめんね 今日は チョコレートフレーバーだって

「お会計 お願いします」
「いかがでしたか チョコレートフレーバー」
「・・・」
「どうか なさいましたか」
「お口に 合いませんでしたか」
「・・・」
「・・・」
「・・・とっても・・・とっても」
「おいしかったんです」
「おいしかったんです」
「本当は あたし 前からいただきたかったんです」
「チョコレートフレーバー 飲んでみたかったんです」
「チョコレートフレーバー 飲んでみたかったんです」



自由詩 チョコレートフレーバー Copyright もっぷ 2014-01-24 07:33:50
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