しろい四角
るるりら

しろい紙に 向き合い
しろい箱を 造り
しろい心を 持ち歩く

あるとき それは逝った病室
あるとき それは骨壺
海沿いを走る電車を降りると
そこはまるで見知らぬ ふるさと

青になぶられ
悲しいことが続いても 笑顔は大切な商売道具だから
捨てたことはなかった あなたが逝っても 
お客は
わたしの笑顔には嘘がないと言った。 
凍てつく風が顔をこわばらせる

この町は 幽霊船のよう
神秘的に 竜骨や船材が ぎいぎいと音を立て
ちらちらと見える乗務員の だれもが舵をとっていない
しぶきがあがる

顔にしぶきがかかり
顔面が死んで 痙攣し
笑い声となると同時に なにか熱いものが目じりをつたった


なみだ
って 砂糖みたいに甘く
昔、角砂糖一袋食べてしまった
あの、

感触



自由詩 しろい四角 Copyright るるりら 2014-01-21 18:28:38縦
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