火星たんぽぽ   
小池房枝

雪が溶けたら
やわらかい地球の黒土花壇に
「火星たんぽぽ」の小さな名札をたてよう

ひとが植えたわけでもないタンポポが
好き勝手に咲いてるような
そんな花壇がいいだろう

そこから芽吹くものが
何もなくてもいい

札に書く言葉は
実は「火星人ここに眠る」でも
何でもかまわない

たまには
そんな風にして
地球人は地球人であることを
生まれ故郷を


よく忘れてるみたいだからね
 
 


自由詩 火星たんぽぽ    Copyright 小池房枝 2005-01-14 20:23:19
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