断罪のバット
yamadahifumi



悪い事をした人には

何をしてもいいのです

いじめをした人にはどんな仕打ちをしても

許されます

だって、それは『正義』なので

差別した人、悪を為した人には

どんな事をしたっていいのです

そう言って、『正義の人』はまた

あの鈍く光る鉄のバットを

思い切り振り下ろしました

でも、その時に僕は見ました

その人のその顔には

実に嬉しそうな笑みが浮かんでいた事を

悪人を断罪するその時の

その人の実に楽しそうな晴れ晴れとした笑顔を

僕はその時にはっきり見ました

でも、あとでその事をその人に尋ねたら

その人は『そんな事は知らない』と言いました

それで僕はその日、一人さみしく帰りました

多分、明日にはそのバットが

僕にも振り下ろされる事でしょう




自由詩 断罪のバット Copyright yamadahifumi 2014-01-14 07:59:22
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