エーテル 11
草野春心



  椅子に座り、瞼を閉じて 静かにしていると
  彼女の心は川の水に深くゆっくりと沈んでいく
  遠い、淵のところからあふれた透明なものたちが
  灰色にくすんだビル街を薄い膜で包みこむ
  幾つかの転轍機が作動する
  葉書にはなにも書かれていない




自由詩 エーテル 11 Copyright 草野春心 2014-01-13 18:21:55
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