樹下にて
ヒヤシンス
冬枯れの樹の下でなぜ孤独を感じる必要があるのだろう。
そんなことを自分に問うた事のある人が一体いくら在るのだろう。
自分に課した約束を反故にした人は一体幾人いるのだろう。
犯した罪の償いに一体僕は何が出来るのだろう。
大事なことを見失う悲しみに再び夜はやって来るのだろうか。
私の理想にあなたの現実が重なり合うことはあるのだろうか。
あなたとの邂逅がもしもあらかじめ用意されていたとしたら・・・。
冷静を装っていた僕の着衣が一枚一枚剥ぎ取られていくようだ。
祭壇に掲げられた裸の僕を憐れみの目で見るのはやめてくれ。
価値のない生贄など何の役にも立ちはしない。
死を恐れる僕に価値は無い。
抑えようとすればするほど溢れ出る。
生への執着が僕を醜くする。
抑えられない。
人が持つそれぞれの感性が邪魔なのだ。
落ちぶれた僕に手を差し伸べるのは誰か。
悪の権化か醜い邪鬼か。
僕は詩が恐ろしい。
言葉が恐ろしい。
抑えられない、抑えられない・・・。
僕の神様、どうかこの弱い私をお笑い下さい。
しかし私は待っています。
いつまでもいつまでもきっと待っています。
この冬枯れの樹の下で、真昼の幻想に飲み込まれそうになりながらも、
あなたへの感謝と共にいつまでも待っています。
心の春を待っています。