うちの猫、しりませんか
たにがわR


うちの猫、しりませんかという看板、わたしの好きも探してほしい

その、こころ、いただきましたという予告、付箋ひとつで君からとどく

お迎えにハムスターがくる夜は、既存依存の弱さが強いものだと

「その報告は無くても良いです、まわれみぎ」三時のおやつに君をおもう

おかわりをアンコールと言っちゃって君への好きを叫ぶぜベイビー

そう、そうね鼻が破壊よ、と君がいい、いろいろ間違うぼくたちの冬

解なしと書かれたきみの答案は冬に間違い春に正しく

ハローハロー、連携不足のぼくたちは、今日という日を確認してる

前略とはじまっていたその手紙、月命日に暗号気付く

不意に、そう君への好きを描きたく、えんぴつさがす日曜の午後

ガガガガガッ、わたしはひとつ耐えきって、その夜ひとつ崩壊するの

かたわらにある飲み物につまづいて、三時のおやつはカステラにする

近況と縦書きにつづる書置きに、ぼくたちのこと象徴している

てのひらをそのおっぱいにかざしては、いきていくことのちょうどよさ知る。

おはよう、というべきような死に化粧、ごめん、あなたはいってしまった

そう、すぐに回送列車は通過してポケットに君手のひらいれる

ほら、月がきれいだなんて、君宛に、メールを一つ送ってみるよ

渋谷九時、追い抜くひとが一人いて、空の青さに気付いてほしかった


短歌 うちの猫、しりませんか Copyright たにがわR 2014-01-06 13:01:14
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