うちの猫、しりませんか
たにがわR
うちの猫、しりませんかという看板、わたしの好きも探してほしい
その、こころ、いただきましたという予告、付箋ひとつで君からとどく
お迎えにハムスターがくる夜は、既存依存の弱さが強いものだと
「その報告は無くても良いです、まわれみぎ」三時のおやつに君をおもう
おかわりをアンコールと言っちゃって君への好きを叫ぶぜベイビー
そう、そうね鼻が破壊よ、と君がいい、いろいろ間違うぼくたちの冬
解なしと書かれたきみの答案は冬に間違い春に正しく
ハローハロー、連携不足のぼくたちは、今日という日を確認してる
前略とはじまっていたその手紙、月命日に暗号気付く
不意に、そう君への好きを描きたく、えんぴつさがす日曜の午後
ガガガガガッ、わたしはひとつ耐えきって、その夜ひとつ崩壊するの
かたわらにある飲み物につまづいて、三時のおやつはカステラにする
近況と縦書きにつづる書置きに、ぼくたちのこと象徴している
てのひらをそのおっぱいにかざしては、いきていくことのちょうどよさ知る。
おはよう、というべきような死に化粧、ごめん、あなたはいってしまった
そう、すぐに回送列車は通過してポケットに君手のひらいれる
ほら、月がきれいだなんて、君宛に、メールを一つ送ってみるよ
渋谷九時、追い抜くひとが一人いて、空の青さに気付いてほしかった