エーテル 7
草野春心
街灯の
鏤
(
ちりば
)
められた夜が 冷たい川を流れていく
対岸に立ちならぶ水玉模様の繁華街は深雪を浴び
緩慢な微睡みのなかに沈みつつある
彼女はかじかんだ躯をコートにくるんで
除雪車が黄色い光をぱちくりさせながら這っていくのをきいている
風が吹くとそれに合わせて 白い道に落ちた彼女の影も揺れる
彼女は楽譜に記された音符
彼女の影は 奏でられた音楽
自由詩
エーテル 7
Copyright
草野春心
2014-01-05 19:09:41
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