laser
竜門勇気


僕の一番真っ直ぐな言葉は
消えてしまった
僕が出来る全部のことは
終わってしまった

さよならが向かう場所は
知るだけ無駄だったんだ
悲しさは武器になって
世界とだけ戦える

苦しさを言葉にしたら
苦しさは言葉になってしまう
気持ちのいい嘘をつくだけの機械なら
望まなくったってだれでもなれる

僕は生きているので
その間だけ

僕は感じてるので
その間だけ

満月の夜だけに
歩ける道を歩こう
一人ぼっちの時だけ
辿り着ける場所に行こう

僕ができるかぎり歩いた道は
まっすぐじゃなかったし
僕が泣きながら見た景色は
歪んでたのにすごく近かったんだ

世界中の靴を磨く男は
苦し紛れに君を見て笑う
その時だけ世界が見えてれば
もうもうと腐れが這う気持ちも
守ろうと思う気も
妄想の自分の世界で
少しだけは脇役のやりがいを感じるってもんだ

言葉は届かなかった
心も届かなかった
何もかも届かなかった
ただよく見えた
その様が本当によく見えて

悲しむよりも
怒り狂うよりも
絶望するよりも早く
僕が何者かだけ
本当によく見えた



自由詩 laser Copyright 竜門勇気 2013-12-30 03:01:46
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