死二ゾコナイ
そらの珊瑚

寝室の窓の外で
また今夜も
切れかかった街灯が
青白い点滅を繰り返す

この世に未練があるのか
ただ惚けてしまったのか
それとも
死二ユク前のあがきなのだろうか
今夜も
わたしの静寂であるべき夜を
不規則という規則にそって
あいつが邪魔をする

寒空の下で
ふるえながら
脈をうつ
あいつのことを
思って
寝返りすれば
全てを使い切って
逝くことへの
これ以上ない哀しみが
これ以上ない叫びが
夢の渚にまで
ざわざわと
打ち寄せる

おかあさん、波はどこから来るの?
その答えを
わたしはまだ知らなくて
死二ゾコナイの
ひとりとして
今夜も泳いでいるのです



自由詩 死二ゾコナイ Copyright そらの珊瑚 2013-12-27 09:29:51
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