永遠を願う歌
クナリ

明けない夜はないと教えてくれた人は
暮れない昼もないとは言ってくれなかった

やまない雨はないと教えてくれた人は
永遠の晴れもないと言ってくれなかった

幸せの気配を感じるたびに身構える
研いだ爪のような優しさ
最初につけられる傷だけは
いつだって なんて甘い

あなたの爪跡から咲いた花が
枯れ落ちても聞いて欲しい
忘れない想いだけは 私にだけはあるのだから



交差点に混じるのは意味のある雑音
アスファルトに響くのは無情の言葉

逃げ込んだ石造りの檻の中でも
自分になら
自分にだけは
あなたの声が聞こえると信じていた
今も

裏切りだと思ったことはないままの今
きれいごとでごまかしてみても
なぜなのか 肺は凍りつく



話せないね
話せないね
本当にあなたの声が聞きたければ
自分の声も聞かなければならないからね

怖いよね
吐き捨てたいね
捨て身になれば手に入るなら
それは捨て身ではないのだからね



一生に一度の出会いに溺れようとして
一生に一度の出会いにおぼれようとして

それなのに
それなのに

当たり前に二度目はやって来るって
当たり前に二度目はやってくるって

信じられるものは心に無くても
変わっていく自分は何より恐ろしいけど
変わらない心だって
変わらないこころだって
確かにあると歌って欲しい
確かにあると歌ってほしい


悔しいけれど
明けない夜はある
悲しいけれど
やまない雨がある
けれど
忘れないものもある
変わらない心だって
ここにある

聴こえたことはあるだろうか

取るにも足らない
笑われて終わりの

永遠を願う
歌。




自由詩 永遠を願う歌 Copyright クナリ 2013-12-19 20:26:41
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