猫のダイヤモンド
そらの珊瑚

ねえ
ひとつぶのわだかまりもなく
こんなにさらさらで
どんなかたちにもなって
どんなかたちにもならなくて
よく晴れた日は
誰にも盗られないように
丁寧に埋めた
昨日の美しい心を
ぴかりと光らせてみせる
それを
ただの砂だと
呼ぶことを
キミに教えてもらったけれど
肉球で踏みしめれば
かすかに
音がするのはなぜ?
きゅきゅきゅっと
泣いているのか
笑っているのか
在るのか
ないのか
きっとボクには
えいえんに知りえないことだけど
何か
特別なものに
なりそこねたものたちよ

ぎっしりと
よりあつまっても
ひとつにはなれなくて
そのすきまに
今日も
世界に降る
冷たい雨を
染み込ませ
濾過させ
ふるさとの
地球の芯へと
送っていくんだろう

夜になれば
ボクの瞳はダイヤモンド
そこに
えいえんに
なりそこなった
からくりを映している
ただの砂粒のゆくすえ
みたいなものを、さ



自由詩 猫のダイヤモンド Copyright そらの珊瑚 2013-12-19 08:56:21
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