無題
sho_koshiishi

私はある種の病を患っているのだろう。そう考えるようになった久しいのだがこの病の正体については未だ結論付けられていないのが正直なところである。

ある朝、妻は居間で私のシャツにアイロンをかけていた時の事であるのだが、私は原因不明の目眩に襲われ、その場にうずくまり、遂には卒倒してしまった。妻はすぐに私に駆け寄り何やら叫んでいたようなのだが、遠退く意識のなかで妻の叫びが私に届くことはなかった。ふと目を覚ませば、私は布団に転がっていて、傍らには妻が湿らせたタオルを絞っているのが目に入った。どうにも居心地が悪いので自らに気を向けると肌着は汗でびしょりと濡れて、私の体にべたりと張り付いていた。私は居心地の悪さに辟易して、妻に礼を述べると直ぐに、肌着を変えようと思い布団をはね除け起き上がろうとするのだがどうにもこうにも上手く起き上がることが出来ない。端から見ればさぞ滑稽だったに違いない。


自由詩 無題 Copyright sho_koshiishi 2013-12-18 20:34:07
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