かっこいい散文
左屋百色

まゆ毛を微調節すればするほどズレてゆく
9月の夕方にある方からメールを頂きまし
た。(あなたの詩は結構好きだがかっこつけ
すぎではないか)というような内容でした。
10月は攻撃して11月は防御して12月には
判定ドローになりました。鋭い言葉なんて
いくつ持っていても誰のスカートひとつめ
くれませんから。男子たち残念ですか。女
子たちはもっと残念なのです。かっこよく
めくって欲しいのです。このままでは12月
が世界から削除されます。ひとり私はあり
ふれた言葉を積み上げている作業中にバラ
ンスを崩し頭を打って夢を見ました。

小学生の頃によく歩いた道にいました。あ
の頃にはなかった家がたくさん建てられて
いました。よく遊んだ公園まで行ってみる
と見知らぬ少年が私の自転車に乗りやって
来ました。少年は早送りで動き帽子の中に
ザリガニを入れて帰って行きました。よく
わからないけれど夢の中ってスローモーシ
ョンだったりするのになんでかなとか思い
ながら私は自分の自転車に乗りました。カ
ゴの中に言葉が入っていました。それはと
てもとてもありふれた言葉でしたが自分の
言葉だなと直感でわかりました。私の自転
車だし。とりあえず少年の言葉ではない。
私は家へ向かって帰りました。私にはやる
事があるのです。途中でチェーンが切れま
した。

13月の土地にかっこいい散文をばら撒いて
14月に収穫するのです。青い羽根が紫に染
まる午前5時15分頃に収穫するのです私。
盾も傘もないけれどかっこいい詩を守るの
です。そして自分の詩と君の詩をよむので
す。影響も受けます。受けますとも。私が
女でも男でもかっこつけたいのです。つけ
ていたいのです。ほのぼのもギャグも難解
も独白もエログロも未詩も詩を書いている
時点でかっこつけているのですから。自己
満足なんてしていません。その証拠に詩を
書き続けているのです私。まだまだ書きま
すよ。次いでにまゆ毛もかきますよ。今日
出かけますから。これから自転車屋さんへ
行くのです。



自由詩 かっこいい散文 Copyright 左屋百色 2013-12-12 18:43:18
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