【終わりと始まりと】詩サークル「群青」12月の課題「終」への提出作品
そらの珊瑚

取り出したばかりの粘土は
幾通りもの生を含んで
ぐにゃり
柔らかく在る

指で押せば
くぼみが現れ
手のひらで転がせば
丸を成す
いびつな複雑さは
魅力的である代わりにとてももろい

神がかつて
ほんの気まぐれに
人間を成形したように
粘土細工は
陽のさす
窓辺に置かれ
固まりつつ
無言で終わりへと向かう
中心に秘められた
ナニモノでもないナニカだった記憶も
ひとつ残らず
蒸発してしまえば
名づけられたモノとして
物語が始まってゆく


自由詩 【終わりと始まりと】詩サークル「群青」12月の課題「終」への提出作品 Copyright そらの珊瑚 2013-12-10 13:29:44
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