「触れた土」
宇野康平

あの日、怖かった夢。

もはや化粧ののらない肌に口紅をする老婆。

雨に濡れた路上。信号の赤が手鏡に反射する。

子どもの葬式。

動かないエスカレータ。

涙が血で。母が空き缶に当たって死んだ。


《劣の足掻きより:http://mi-ni-ma-lism.seesaa.net/


自由詩 「触れた土」 Copyright 宇野康平 2013-12-04 22:00:16
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