書斎
白雨

累々と積み上げられた本の中から
のぞく黒い眼 踊りだし
蟲のように 這いまわる
文字を追うゆび
むしゃむしゃと 妖しく
漢字を アルファベトを
食べまわり
くしゃみをする
すると、

なまあたたかい
腹のなかから 
鐘のおと 響きわたり
歯車が回転して

いっせいに
飛びちらかる
黄金の
翅の生えた
埃たちが


自由詩 書斎 Copyright 白雨 2013-12-03 18:33:30
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