早池峰山(はやちねさん)
……とある蛙
山の神舞 蝦夷神の生き残り
桓武天皇の御世
たいらげられた蝦夷の神
神社(やしろ)は倭の神の依り代のため
彼らは神社(やしろ)を知らなくて
ご神体ははやちねさん
早池峰神社の鳥の舞
服属の証の悲しい踊り
突然、古事記が持ち出され
また悲しい物語
河童の悲しい物語
松崎村の川端は
二代続けて河童の子
切り刻んで川へ捨て
間引きの悲しいこじつけは
三歳(みとせ)に襲う飢饉のため
産土神(うぶすながみ)は恵みの神
しかし、刻まれ川に捨てられ
遠野の谷に生まれた霧は
次第次第に頂きまでいたる
霧に包まれ心も上り、
晴れた後の頂きに
心の忘れ物が多くなる
願わくは神を語りて
平地(ひらち)の人を戦慄せしめよ
願わくはこれを語りて
山の神舞を蘇らせよ
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記紀