チェーン
Seia

電車が繋がれて繋がれてゆく
ゆく人のチェーン
テトテのあいだにも

何をしたかったんだっけね

と、とまるとぶ、
ぶつかられる場所で叫んだ
ほんとうは叫んでいない
叫んではいないけど

百二十ホーンは軽く超えていた
あつあつのその声を
ラップに包んで放り投げる
隙間からもれ落ちる声

もれて滴る声さえ
ひとつも人に当たらずに
排水口へと流れて
いつか雨に

五月雨は遠くへ
思い出と共に、友に
泥の匂いがする
側溝の水は澄んでいて
汚れた足でくたくたに濁すのが
ためらわれるぐらいに

ううう、
うううう、
うなるスマートフォン
に、似合わないような
いまでは懐かしい種類の
スパムを受け取る、受け止める。

番組の企画で、

その先が文字化けているメールに
そっとスターをつけた



自由詩 チェーン Copyright Seia 2013-11-26 21:33:30
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