Barolo
草野大悟2
すみれの香りがするね
ルビー色のワインを飲みながら
つぶやいたあなたの唇が
柿渋のように舌にからみつく夜
新月が笑い
大潮が笑い
あなたの赤い月が、ひとり
インディゴの空に浮かんでいる
どこまでも続く風は
おそらく
僕たちを忘れている
どこまでも続く空は
たしかに
僕たちを知らない
あの時見上げたもの達は
見上げた僕らを
もう
覚えてはいない
自由詩
Barolo
Copyright
草野大悟2
2013-11-22 23:00:20