じっと見ている
石川和広

まばらな鳥の群れ

なんとなく
不穏な思いを託す

海が見える
感じているだろうか

彼等の
飛んでいるのを追う眼

シンキロウを
奏でる朝日に
大阪南港の
廃墟が上陸する

あんた
僕はこうして
湾岸のがらがらの
鉄道


僕の眼や耳の木は
かんたんに
まじわれない
人と鳥と僕と
望遠鏡が
金を失い
遠くが見えなくなり

ベンチで
冬の霜がかりかり

ぼくのじかんは
見渡せない海から
それていて

缶コーヒがさめてく
乾く掌


自由詩 じっと見ている Copyright 石川和広 2005-01-11 00:23:18
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