バジル
umineko

もう
たぶん来ないと思うんだ
あれほど

不安だった喪失も
なんだか
親友めいていて

あなたがいない

けれど
私は生きていて
おはよう、って挨拶をして
手にしたカバン
褒めたりもして

私は

たぶん私の着ぐるみを着た
空っぽなんだと思う

私はそれを
じっと見ている
入れ子細工の狂おしさ

なあんだ
空っぽ だったんだ

だから
どんなに辛くても
弱音も吐かない
苦しくもない
空っぽだから感じない

あいして
くれてもいいよ
空っぽだけど 

たぶん
あなたが腰掛ける
長椅子くらいは準備する
広くて
心地いいでしょう

あなたに合わせて
なんでもできる

空っぽなんだ
あの日から
 
 
 
 


自由詩 バジル Copyright umineko 2013-11-19 08:11:47
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