半身
自転車に乗れない女の子

 





半身にびっしり墨を入れたあなたが
猫みたいな目で優しく笑いながら
そっとわたしに触れる

あの日のわたしは
たったそれだけのことに
びくっと肩を揺らして、
思わず目を伏せて、
そんな自分が情けなくって、
「ごめん」と呟いた言葉で
尚更あなたを傷つけた


半身の深い青が
わたしは本当に大好きで
半身の深い青が
わたしは本当は怖くって
半身の深い青は
そんなわたしを
軽蔑することもなく
全身の深い愛で
わたしに本当の
音をくれたのに


半身にびっしり墨を入れたあなたが
半身に深い青を持つあなたが
まっさらな半身のわたしを
猫みたいな目で優しく笑いながら
きゅっと抱き締める
わたしはその半身の
深い、深い青を
あなたの持つ
深い、深い青を
ひたすらに信じている

半身の深い青が
わたしは本当に大好きで
半身の深い青が
わたしは本当は怖くって
半身の深い青は
そんなわたしを
軽蔑することもなく
全身の深い愛で
わたしに本当の音をくれる

だからわたしは
あなたの深い青も深い愛も
ひたすらに信じていける







自由詩 半身 Copyright 自転車に乗れない女の子 2013-11-17 18:18:15
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