生きの音
雨慈ムシ
柔軟剤のたおやかな香りに
青く火照った朴の空に
曇りガラスに散る光の粒に
惜しみなく降る情の雨に
萎れた紙に乗った言の葉に
甘い満足をくれたカップラーメンに
ビニールを被った埃臭いスーツに
私が昨日も生きていて
但し今日も活きて居らず
少し昔に貴方と違えて
ただ大昔には互えていて
儚くとも画面を抱く私は
吐かなくとも笑顔に触れず
生きて 生きて
自由詩
生きの音
Copyright
雨慈ムシ
2013-11-17 14:03:13