時の端っこ (八)
信天翁

枕が変わった 天井の地図も変わった
独り暮らしの寝室から
鼾の合奏する五人相部屋の寝室に変わった

その間に世間の便りは
うねりの激しい潮騒となっていた
看護師の足音に神経を消耗され
まるで半ボケの俺様となっていた

遠くから電車のきしむ音が聞こえる
それがさも俺様の生涯のように


自由詩 時の端っこ (八) Copyright 信天翁 2013-11-15 12:08:41
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