きつねのてぶくろ
TAT
ふゆがくるまえに
ゆきがふるまえに
きつねのてぶくろを
つけないと
芯まで凍って
指が床に落ちないように
俺らあの日の童話に立ち帰って
照れたり恥ずかしがったりいきったりすんのはやめて
暖炉の火に薪をくべる必要がある
よお
俺はお前が好きだぜ
俺はお前のためなら多分死ねるわ
極北の大地を
悪魔みたいな風が
獰猛に吠え貫いてゆく
コンパスも風間やんわりもマジでもう居ない現実を
一日一日
渾身の後ろ足で
どっかに押しやりながら
生きてけってか?
よお神様
きつねのてぶくろって十回言えよ
ちょっとてぶくろを
逆から言ってみろよ
自由詩
きつねのてぶくろ
Copyright
TAT
2013-11-12 01:34:48
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